家づくりは人生で最も大きな買い物の一つであり、「3回建てないと理想の家にならない」と言われるほど難しいものです。展示場や情報サイトで多くの情報を集め、熟考を重ねてマイホームを計画しても、実際に住んでから後悔するポイントが出てくることは少なくありません。
この記事では、2013年11月にトヨタホームの注文住宅を建てた筆者の実体験に基づき、入居後に気づいた「失敗・後悔ポイント」を5つご紹介します。

これから家を建てる方、現在計画中の方、特にトヨタホームでの建築を検討されている方にとって、後悔のない家づくりの参考になれば幸いです。
- 現在、家を計画中の方
- 家の仕様で迷っている方
- 実際に住んでからの失敗ポイントを知りたい方
- トヨタホームでの家づくりを検討している方
わが家の失敗・後悔ポイント5選
わが家がトヨタホームで家を建ててから、およそ3ヶ月で明らかになった失敗・後悔ポイントは以下の5つです。
- バルコニーは不要だった
- WIC(ウォークインクローゼット)窓の結露がひどい
- 洗濯室(洗面所)が狭い
- 脆いフローリング(突板材)
- 子供部屋の仕切り無し
一般的な家づくりの失敗談では10項目以上挙げられることが多い中、わが家は5項目に留まっており、比較的少ない方だと前向きに捉えています。それでは、それぞれの失敗ポイントを詳しく見ていきましょう。
1. バルコニーは不要だった
わが家はキャンチバルコニーを採用しましたが、結果として不要でした。

「キャンチ」とは「キャンチレバー(片持ち梁)」の略で、柱や壁で支えずに、片側だけを建物から突き出す形で支える構造を指します。つまり、キャンチバルコニーとは、建物から突き出す形で設置されたバルコニーのことです。
通常のバルコニーが柱や壁で下から支えられているのに対し、キャンチバルコニーは構造上、下部に支えがないため、すっきりとしたデザインが特徴です。建物全体に軽やかな印象を与えることができ、特にモダンな住宅で採用されることが多いです。
しかし、その構造上、費用が高くなりがちであったり、積載荷重に制限があったりするなどのデメリットも存在します。わが家が採用したキャンチバルコニーは、外観デザインを重視して選択しましたが、結果的にその費用対効果に疑問を感じることになりました。
失敗の理由
別記事でもご紹介している通り、わが家は洗濯動線が1階で完結しているため、2階バルコニーで洗濯物を干したことは一度もありません。換気以外でバルコニーの窓を開けることもありませんでした。
また、バルコニーは設計段階で当たり前のように付いてきますが、実は多くの費用がかかっています。わが家の狭いバルコニーでも、合計で約46万円もの費用が発生していました(内訳:床パネル、樹脂タイル、据付工事、造作工事、防水シート、腰壁等)。ここを削っていれば、建築費用を節約できたことは間違いありません。
現在のキャンチバルコニーはエアコンの室外機設置場所として活用していますが、これも1階に設置すれば特に問題ありませんでした。
対策
洗濯動線を1階で完結させる場合は、バルコニーは不要となる可能性が高いです。費用削減のためにも、本当に必要か検討しましょう。ただし、1階の庇代わりや、エアコン室外機の目隠しとして利用するメリットもあるため、ご自身のライフスタイルに合わせて慎重に判断することが重要です。トヨタホームの営業担当者とよく相談し、メリット・デメリットを把握した上で決断してください。
名 称 | 数量 | 単位 | 単価(円) | 金額(円) |
---|---|---|---|---|
床パネル | 3.8 | ㎡ | 60,700 | 230,660 |
樹脂タイル | 3.8 | ㎡ | 5,600 | 21,280 |
据付工事 | 1 | 箇所 | 3,500 | 3,500 |
造作工事 | 9.5 | m | 1,190 | 11,305 |
防水シート | 9.5 | m | 2,470 | 23,465 |
腰壁等 | 4.8 | m | 36,690 | 176,112 |
バルコニー費用合計:466,322円
バルコニーに関するさらに詳しい情報や、後悔しないための検討ポイントについては、こちらの記事もぜひ参考にしてください。


2. WIC窓の結露がひどい
わが家のWIC(ウォークインクローゼット)は寝室に隣接しており、窓を付けたことでひどい結露に悩まされました。
失敗の理由

わが家のWIC(ウォークインクローゼット)は寝室の隣に位置します。WICは使用しないときは閉め切った状態になることが多いです。冬場、寝室でエアコンと加湿器を使用すると、その影響で毎朝、窓にひどい結露が発生していました。窓の仕様は樹脂サッシと複層合わせガラスで、結露しにくいと期待していましたが、甘かったです。ひどい結露により、樹脂サッシ部分にはカビまで生えてしまいました。

また、WIC使用時は明かりを点けるため、窓は特に開ける必要がなく、年中ロールスクリーンを閉めっぱなしでした。窓があってもなくても同じ状況だったのです。
(2022年5月26日追記) その後、結露の原因が加湿器による過剰加湿であることが判明しました。加湿器の運用を減らしたところ、窓が結露しなくなりました。現代の家は気密性が高いため、過剰な加湿は避けた方が良さそうです。
対策
寝室に隣接するWICの場合、窓を付けると冬場の結露リスクが高まります。可能であれば、窓は付けないことを強くおすすめします。窓がなくても照明があれば十分です。
もし、どうしても採光のために窓を付けたい場合は、寝室から独立した位置にWICを設けることを検討してください。また、加湿器を使用する際は、室内の湿度管理に注意し、過剰な加湿を避けましょう。トヨタホームの家は気密性が高いため、適切な換気と湿度管理が重要です。

3. 洗濯室(洗面所)が狭い
洗濯が1階で完結する動線にしたにも関わらず、洗面所の広さを軽視したため、室内干しスペースが不足しました。

失敗の理由
わが家は通常、テラス屋根の下で洗濯物を干しますが、雨の日や春先の黄砂、夏場の虫が多い時期は室内干しになります。家を計画する際、洗面所の広さについては「洗濯物が干せれば良いかな」程度の認識で、物干しユニットを付けただけでした。
洗面所の広さは1.15坪(約3.8025平米)で、1坪より少し大きい程度です。洗面所は脱衣所も兼ねているため、大量の洗濯物が干してあると非常に邪魔だと感じています。
対策
洗濯物干しを1階で完結させる計画の方は、洗面所(洗濯室)の広さに注意が必要です。今の使い勝手を考えると、あと0.5帖広ければ快適だったと感じています。最低でも3帖(約4.95平米)あれば問題ないでしょう。
室内干しを頻繁に行う場合は、一般的な洗面所の広さ(1坪)に加えて、0.5~1.0帖ほど広めに確保することで、ゆとりのある洗面所となり、快適な室内干しスペースが実現します。トヨタホームの設計担当者と、具体的な洗濯物の量や干し方をシミュレーションしながら広さを検討することをおすすめします。

4. 脆いフローリング
1階のフローリングに見た目を重視して突板材を選んだ結果、傷が多発して後悔しています。

失敗の理由
1階のフローリングには「自然杢フロア(突板材):ライトi(メイプル)」を選択しました。この突板タイプのフローリングは見た目は良いのですが、表面への衝撃に弱いという欠点があります。少し物を落としただけで床が凹み、重いものを引きずるとすぐに傷が付いてしまいました。

特に小さいお子さんがいるご家庭では、フローリングの傷はある程度覚悟しなければなりません。2階に採用した「ハイパーフロアアシストS」のような衝撃に強いフローリングにしておけば、これほど傷だらけにならなかったのではと感じています。ハイパーフロアアシストSはテレビのリモコンを落とした程度ではほとんど傷がつかないほど丈夫です。
対策
小さなお子さんがいるご家庭や、フローリングの傷が気になる方は、無垢材や突板材を避け、衝撃に強いフローリングを選択することをおすすめします。見た目だけでなく、ご自身の生活環境に合った素材を選ぶことが重要です。トヨタホームでは様々な種類のフローリングが選択できますので、ショールームなどで実際に触れて、耐久性を比較検討すると良いでしょう。

5. 子供部屋の仕切り無し

子供部屋を将来的に仕切ることを想定し、最初は広い一部屋にした結果、余分な費用が発生しました。


失敗の理由
将来的に子供部屋を2つに区切る予定で、それまでは子供たちがのびのび遊べるようにと、あえて10.8帖の大きな一つの空間にしました。しかし、実際には遊ぶスペースは1階リビングとその続きの和室で十分事足りてしまい、子供部屋の大空間はほとんど使われることがありませんでした。
また、子供部屋が2階にあるため、子供が小さい間は階段が危なく、極力1階で遊ばせていたというのも理由です。
結果として、新築段階から2つの子供部屋に分けておけば、後からの間仕切りリフォーム費用(わが家では2022年2月に実施)がかからなかったと考えると、失敗だったと感じています。
対策
子供部屋の仕切りについて迷っている場合は、最初から壁を作ってしまうことをおすすめします。迷うということは、もしかしたらその部屋を有効活用できないかもしれないと感じている証拠かもしれません。最初から仕切っておけば、将来的にリフォームする手間と費用を省くことができます。
ただし、大空間としてのメリット(例:引っ越し直後の物置スペースなど)もゼロではありません。ご自身のライフスタイルや子供の成長計画、そして予算と照らし合わせて、トヨタホームの設計担当者とよく相談し、最適な間取りを検討してください。


まとめ
トヨタホームでの家づくりは、多くの方が憧れる大きなプロジェクトです。今回ご紹介したわが家の失敗・後悔ポイントは、あくまで一例ですが、皆様の家づくりの参考になれば幸いです。
最終的な決定をする前に、以下のポイントを再確認してみてください。
- バルコニーの有無: 1階で洗濯を完結させるなら不要の検討を。庇代わりや室外機隠しなど、別のメリットも考慮し、トヨタホームの担当者と相談しましょう。
- WICの窓: 寝室続きのWICは結露の危険性があるため、窓は避けるのが賢明です。気密性の高いトヨタホームの家では、加湿のしすぎにも注意が必要です。
- 洗濯室の広さ: 洗面所が洗濯室・脱衣所を兼ねる場合、室内干しを考慮して、通常よりも0.5~1.0帖ほど広めに確保すると快適です。
- フローリングの選択: 小さなお子さんがいるご家庭は、見た目だけでなく衝撃や傷に強いフローリング(例:ハイパーフロアアシストS)を選択しましょう。
- 子供部屋の仕切り: 新築時に迷う場合は、最初から壁を作ってしまう方が後々の手間や費用を抑えられる可能性が高いです。

これらのポイントは、あなたのトヨタホームでの理想の家づくりを成功させるためのヒントとなるはずです。後悔のないマイホームを実現するために、この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。


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