家を建てる際、トヨタホームのカタログを参考にして情報分電盤(ホームLANシステム)を導入しました。このシステムでは、テレビや電話、ルーター(スイッチングハブ)を含む全ての配線をボックス内に収めるため、見た目が非常にスッキリします。実際に使用してみると、情報分電盤は住宅設備の中でも特に効果を実感できる設備のひとつです。
- ルーター(スイッチングハブ)周りのネットワークの配線がごちゃごちゃして困っている
- 各配線を目立たないようすっきりさせたい
- ネットワーク機器のメンテナンスや故障切り分けを簡単にしたい
情報分電盤とは
情報分電盤とは、家庭内ネットワークやテレビ、電話などの配線を集中管理できる収納ケースです。パナソニックや因幡電機産業(アバニアクト)などの製品が一般的に使用されています。このケースには光終端装置、ルーター、スイッチングハブなどが収納され、有線LANを利用する際、各部屋への配線を一箇所にまとめてすっきり整理できます。
トヨタホームオリジナル ホームLANシステム
トヨタホームで情報分電盤を設置する場合、オプションとして「ホームLANシステム」を選択します。このシステムは、家庭内のネットワーク配線を効率よく管理し、ルーターや光終端装置などをすっきりと収納するためのものです。整理整頓と見た目の改善に加え、トラブル対応も容易になります。



情報分電盤の外観


情報分電盤の外観は、シンプルですっきりとしたデザインです。中身は壁内に収まる構造で、ケースの厚みがあるものの目立ちにくく、壁と一体化しています。これにより、視覚的な圧迫感を軽減しながら、機能的な収納スペースとして活用できます。
主な装備
インターネット関連
Abaniact製の1Gbps対応スイッチングハブが標準装備されています。スイッチングハブの中には、大容量データを効率よく処理するマルチキャストコントロールや、ネットワーク機器への電力供給が可能なPoE(Power over Ethernet)機能付きのモデルもあります。これにより、安定した高速通信と柔軟なネットワーク構築が実現します。
TEL関連
電話回線の分配を各部屋に行うために、マルチメディアパネルTELが装備されています。このパネルは家庭内の電話配線を効率的に管理し、各部屋での電話利用を可能にします。これにより、回線の接続や管理が容易になり、住宅内の通信インフラをシンプルかつ機能的に整えることができます。
TV関連
テレビ信号を各部屋に分配するために、TV分配器が装備されています。この分配器により、リビングや各部屋で安定したテレビ視聴が可能となり、家庭内の配線管理を効率化します。
費用
トヨタホームの情報分電盤には、Abaniact(アバニアクト)製の機器が採用されています。
項目 | 価格(税抜) |
---|---|
情報分電盤、スタンダード | 32,900円 |
配線・結線工事費 | 36,476円(ブレーカー盤の配線工事も含む) |

設置費用は安くありませんが、将来のメンテナンスや使いやすさを考えると、新築時に情報分電盤を導入するのがおすすめです。最初に投資しておくことで、長い目で見て効率的で整理された配線環境が保てるから、快適にネットワークを使えるようになります!
(注意)2014年時点での価格となります。2025年時点では1.5倍程度の価格であると予想します。


我が家の設置例
情報分電盤にインターネット、テレビ、電話の各配線が集約されているおかげで、各部屋への配線が最小限で済むことがわかります。このような配置により、配線がすっきりと整理され、見た目も整えられます。


設置場所
我が家では、情報分電盤を2階の納戸に設置しました。設置時、情報分電盤の奥行きが意外にあり、壁から約10cm飛び出すため、生活空間に設置するのは避けた方が良いです。メンテナンスを考慮すると、クローゼットや納戸、玄関の目立たない場所への設置が適しています。ただし、Wi-Fi電波の状態にも注意が必要です。
接続先
家の各部屋(リビング、ダイニング、和室、書斎、寝室)に有線LANポートを設け、子供部屋には空配管(CD管)を埋め込んで必要に応じて配線を行うことにしました。このように、将来的な拡張にも対応できるようにしています。
テレビやレコーダーがある部屋には、有線LANを使用することで、ネット動画の視聴が快適になります。また、PS5でFPSゲームをプレイする際に、安定した回線が必要不可欠です。有線LANは安定性が高いため、特にオンラインゲームやストリーミング視聴で非常に有利です。
最近の無線LANは安定した高速通信が可能ですが、安定性においては有線LANの方が優れています。そのため、我が家では各部屋に有線LANポートを設け、安定した接続を確保しています。



回線の安定性ならば絶対に有線LANが有利ですよ。


インターネット・TV回線
我が家ではコミュファのプロバイダを利用し、テレビプランに加入しています。光ファイバーによるテレビ視聴のため、テレビアンテナは不要です。ただし、テレビプランは固定電話プランとセットになっており、不要な固定電話にも加入しなければなりませんが、NTTで個別契約するよりも安く済むため、コストパフォーマンスは良いと感じています。



ネット引き込み工事の際は、工事される方に「情報分電盤へ配線してください」と言えば良いだけなので簡単ですね。
Wifiの電波について
無線ルーターは情報分電盤内に設置されていますが、トヨタホームの鉄骨造でもWi-Fiの電波に大きな影響はありません。2階納戸にWi-Fiルーターを設置することで、1階リビングでも十分な電波を受信できますが、より安定した無線LAN環境を求めて、1階リビングにWi-Fiルーターをブリッジ(中継器)として設置しています。
また、リビングで使用しているWi-Fiルーターは、ブリッジ機能を活用してWi-Fi信号を中継するだけでなく、LANポートを装備しているため、テレビやレコーダー、ネットワークカメラを接続するハブとしても役立っています。この設置により、機器の接続が効率よく整理され、ネットワーク環境がさらに安定します。




メリット
通信・マルチメディア関連機器を全て収納できる
インターネット回線、テレビ回線、電話回線に関連するすべての機器と配線を一箇所に収めることができ、スペースを無駄にせず、すっきりと整理できます。これにより、配線の見た目が整い、部屋がすっきりとした印象になります。
メンテナンスが楽
拡張や修理といったメンテナンスが非常に楽になります。機器や配線が一箇所に整理されているため、変更や追加作業がスムーズに行え、トラブルシューティングも迅速に対応できます。
配線周りがすっきり
ケーブルや機器をすべてボックス内に収納できるため、配線周りが非常にスッキリします。これにより、見た目が整い、配線の管理も容易になります。



機器に不具合が発生したときでも、関連機器が1箇所に集まっているので、不具合の切り分けがとても楽になります。どこに問題があるのかがすぐに分かるので、対応がスムーズに進みますよ!


デメリット
収納機器は限られる
情報分電盤のボックス内部は奥行きが限られているため、大きなシステム(例えばNAS)は収納できません。小さなHDD程度なら入るかもしれませんが、収納できるのは主にルーターなどの小型機器に限られます。
費用が掛かる
ボックス代や取り付け等の費用が余分に掛かってしまいます。


情報分電盤を扱うメーカー
まとめ
- 配線周りがすっきりする
- メンテナンスや拡張がとても楽になる
- 障害発生時の不具合切り分けがしやすい
- 空配管(CD管)を設置しておけば将来、配線工事にが簡単になる
情報分電盤の導入には費用がかかりますが、通信機器や配線がすっきり整理され、メンテナンス性が高く、ケーブルの追加や故障の切り分けがしやすくなります。特に、複数の有線LANを使用する場合には非常におすすめです。設置にはメリットとデメリットがありますが、費用を考慮しても大きなメリットがあります。導入を検討してみる価値はあります。



最後までお読みいただきありがとうございます(^^)/
トヨタホームに限らず、家の計画している方は情報分電盤を是非検討してみてください。


コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして、ハンクと申します。
現在マイホームを計画中で、宅内ネットワークについて調べていたら、こちらのブログに辿り着きましました。住宅系ブログは数あれど、ネットワーク系でここまで詳しく書かれているブログは大変貴重で、大変勉強になります。日々の更新、楽しみにしています。
ハンク様、はじめまして。
当サイトへお越しいただきありがとうございます。
ご覧いただいた記事が少しでもマイホーム計画の参考になれば幸いです。
コメントをいただけたことは私にとってすごく励みになります。
更新ペースはとても遅いですが、今後ともよろしくお願いいたします。