今回は棚板が全く無く使い勝手の悪かったリビング収納に可動棚をDIYにて設置した時の様子を紹介します。
棚板は3枚設置したことで、十分な広さが確保でき、効率よく収納ができるようになりました。可動棚のDIYは今回が初めてで不安だらけでしたが、予習をしっかり行い作業に臨んだところ、思いのほか順調に作業を進めることが出来ました。可動棚の設置という作業は、難易度的にもDIY初心者にお勧めできる作業であると感じました。
リビング収納に可動棚を設置したきっかけ
我が家のリビング収納にはブレーカーボックスと太陽光発電のボックスの2つが設置されていますが、棚板は一枚も設置されていませんでした。そのため、物を収納するときは床部分に置くしかなく、掃除機やティッシュボックス、トイレットペーパー等が直置きされている状態でした。新築当初はさほど気にならなかったのですが、収納アイテムが増えるにつれて、物の上に物が置かれていくという不安定な状態になり、下の方にある物は取り出すのにも一苦労でした。
リビング収納は幅、奥行きともに900mmあり、収納スペースとしては一般的な広さとなっています。また、突っ張り棒の棚を設置していましたが、強度がなく物を置くと2、3日で落下してしまうため、全く使っていない状態でした。
今回、友人宅(築2年未満)がLDK収納の棚板をDIYにて設置したという話を聞いて、我が家でもDIYでの棚設置に挑戦してみようと行動に移しました。
作業前準備
壁の状態を確認する
壁に棚を設置するためには棚受けレールを壁にネジ止めする必要があり、それを固定するためには壁に木下地が入っていることが必須条件となります。そのような状態にするには家計画の時に検討しておく必要があり、特に指定をしなければ通常は木下地の無い石膏ボードのみが設置され、壁の中は空洞になっています。当然ながらその状態ではネジが空回りしてしまい棚を受けるレールの固定が出来ません。そこで役立つのが石膏ボード用アンカーというもので、本来ネジが使えないはずの石膏ボードでもアンカーの効果によってネジ止めが出来るようになります。
石膏ボード用アンカーには樹脂タイプのものや金属タイプのものがあります。今回のDIYで使用したアンカーは左の樹脂タイプになります。
トヨタホームのユニット構造の場合、間仕切り壁内に20mm幅の木下地が6箇所入っており、アンカーを用いなくてもネジ止め出来る部分があります。基本はその木下地とアンカーを使用して棚受けレールを固定していきます。木下地の位置については下記を参照ください。
壁の中の木下地を探す
トヨタホームのオーナーズブックの巻末資料(2013年版は115~118ページ)”壁の基本図”に壁構造の各寸法が記載されていますので、それを参考に木下地(幅20mm)の位置を把握します。(家の仕様がシンセシリーズなら「ユニット系 シンセシリーズ」のページを参照)
資料によると標準ユニットの場合、天井より490mm、965mm、1440mm、1915mmの4箇所と天井及び床接地部分の計6箇所に20mm幅の木下地が壁の左右に渡って設置されています。念のため下地探し専用器具を利用して木下地有無の確認をお勧めします。下地探し専用器具とは下写真のようなものです。
下地探しは壁内の下地有無を確認するにはすごく便利なツールですが、あまり使いすぎると壁が穴だらけとなり目立ってしまうので使用は最小限にとどめてください。下地が確認できた部分にはペンかマスキングテープで印を付けておきましょう。
下地探しはトヨタホーム施主であれば家引き渡し時に貰える「メンテナンスキット」に入っていますので確認してみましょう。
今回のDIYで使用した道具・部材
今回のDIYで準備した部材や工具は以下の通りです。今回のDIYのために購入したものがほとんどです。参考までに掛かった費用も載せています。
工具・部材名 | サイズ | 個数 | 費用(税抜) |
---|---|---|---|
カラー棚板(ホワイト化粧板)※カット後寸法 | ※890×350×16 | 3枚 | 5,640円 |
カット費 | 3箇所 | 150円 | |
棚受けレール(ステー:長さ910、厚み5mm) | 長さ919mm、奥行5mm | 2本入×2セット | 2,360円 |
棚受け金具 | 15mmピッチ | 4個入×3セット | 984円 |
石膏ボード用アンカー | 耐荷重35kgf | 8個入 | 1,650円 |
エッジテープ(白色) | 幅16mm | 2m巻 | 148円 |
黒色ペン | ー | ー | 既存利用 |
マスキングテープ | ー | ー | 既存利用 |
水平器 | ー | ー | 1,780円 |
下地探し | ー | ー | 既存利用 |
コード式インパクトドライバー(ドライバ、ドリル各種) | ー | ー | 6,680円 |
ドライバービット&ドリル刃セット | ー | 各種10本セット | 928円 |
プラスドライバー | ー | ー | 既存利用 |
費用総額
今回の購入総額は20,320円でした。インパクトドライバー等の工具類を揃えた費用も入ってしまっていますので、それらを除いた部材だけの費用は10,932円となります。さらに作業を業者へ頼んだ場合、施工費は安くても1万円~となりますから、部材×2倍程度は費用が掛かってしまうことになりますね。作業を自分で行えば費用は部材のみとなりますので、少しでもコストを抑えたい方は絶対にDIYをお勧めします。
部材選びのポイント
色の統一
リビング収納の壁は全面白色のため、棚板、棚受けレール(同色ネジ含む)、棚受けの色はすべて白色で統一しました。色を統一することで一体感が出るので見た目もスッキリします。
棚受けレールの長さ
今回は棚受けレールの長さが919mmのものを選びましたが、収納の天井から床までよりたくさんの棚を設置したければもっと長いものを選びましょう。
石膏ボード用アンカー
石膏ボード用アンカーは様々なサイズのものが出ていますが、今回私が購入したものは重量物でも十分に耐えられる性能のもので径はかなり大きめでした。アンカーの種類・サイズはあまり気にせず購入してしまったため失敗ポイントの一つでした。今回購入したものは径が太すぎてオーバースペックだったと感じています。(ドリル穴あけサイズが7~8mmのもの)
アンカーの外径が無駄に大きいものだと棚受けレールの裏側部分に収まりきらずにはみ出る可能性があります。今回はぎりぎり収まったので良かったのですが、もし収まらなかった場合、アンカーの厚み分だけ「棚板が嵌る部分の横幅」が小さくなってしまい、せっかく計算によりジャスト寸法でカットした棚板が入らなくなる可能性があります。ポイントとしてアンカーの外径が棚受けレール裏側の幅を超えないようにする(レールの隙間に隠す)と壁との収まりが良くなります。
棚受けレールを壁に密着して固定させるためにも、石膏ボード用アンカーの外径は想定重量のスペックを満たしており、さらにレール裏側の幅よりも小さくしてください。
アンカー固定は慌てて作業すると失敗しやすいので注意してください。失敗しても”奥の手”があるので思い切って作業をしてください。奥の手は下記参照↓
アンカー固定は失敗しても問題なし?
アンカー固定は相当注意して作業しないと変な角度が付いたり、綺麗に収まらなかったりと失敗しやすい作業です。失敗すると当然ながら壁にとても大きな穴が空いてしまいます。そのショックは計り知れないものですが、それをリカバーする奥の手として「どこでも下地・スピードミニ10」(下記リンク)を使用するというものです。この商品はアンカー固定に失敗して穴が空いた箇所を特殊な液体で固めてネジを効かせるようにするものです。
これさえあればアンカー固定の失敗も怖くありません。思い切って作業をしてみましょう。
エッジテープ
全体が同色で覆われたカラー棚板(化粧板)をカットすると断面(木の色)がむき出しとなり、外観上目立ってしまいます。それを解決するために同色のエッジテープを用います。エッジテープを棚板のカット断面に貼ることで色の違いを隠すことができます。今回の場合は、カット断面が棚板の側面側であり、設置すると隠れてしまうため、エッジテープがあってもなくても見た目は分かりませんが、自分の拘りで付けることにしました。
エッジテープは棚板の色と同色かつ棚板の厚み寸法に合ったものを選びましょう。
棚と棚受けレールサイズの検討
可動棚の棚受けレールの設置はどこに?
棚受けレールは収納の左右側に付けるか奥側に付けるかで悩むところですが、我が家の場合は奥側の壁にブレーカー及び太陽光発電のボックスが設置されており、それらの障害物を避けるために壁の左右にレールを付けることになります。その場合、レールの数は増えてしまいますが、左右壁の両側計4本で棚板を支える形となり安定性が増すというメリットがあります。
今回棚板DIYを行うリビング収納の横幅は900mmであり、固定する棚受けレールを壁の左右に付ける場合は、その厚み分を差し引いた値のサイズに棚板の幅を加工する必要があります。今回の場合、棚受けレールの厚みは5mmでしたので、左右合わせて10mm分を差し引いた値を棚板の幅サイズとしています。
収納の横幅:900mm
棚受けレール厚み:5mm
レール2本分で10mmのマイナス幅となるので、900mm棚板を10mmカットして長さ890mmにしました。
棚板のカットは自分でやるのではなく、板材を購入したホームセンターで機械カットしてもらうのが精度良く断面も綺麗に加工出来る最善の方法です。上記の計算通り棚板がぴったり収まりましたので、棚板を計算より短くカットする等、幅に余裕を持たせる必要はありませんでした。
棚板の寸法は計算上の値でのカットでOK!
棚板のサイズはどうする?
今回使用した棚板サイズ:幅900×奥行き350×厚み16mm
棚板の横幅は収納部の幅に合わせるだけですが、奥行きサイズは迷うところです。びっしりと手前まで棚板を敷き詰めたい方は収納の奥行きに合わせればよいし、圧迫感が気になるのであれば半分くらいのサイズが良いのではないでしょうか。我が家の場合、収納下側の空間は掃除機を置くことになります。収納手前の空間を掃除機の奥行き分+α開けたいと思っていたので、収納の奥行き900mmに対し、棚板奥行きサイズを350mmに抑えて手前の空間を確保しました。そうすることで棚受けレールの下限まで棚板を設置することが出来ました。
棚板の350mmという奥行きは日用品を収納するには十分な大きさで、ティッシュペーパーや工具類等余裕で収納出来ます。棚板厚みは16mmですが今の所、反り等の変形はありません。
棚板の安定性を求めるには25mmが良いそうですが、値段も高くなりますし、重くなるため、アンカーの耐荷重が心配になります。値段と重量のバランスを考えて16mmというサイズを選定しました。
作業手順
それでは実際にDIYした作業手順を紹介します。
1.レールの位置合わせ
マスキングテープで棚受けレールの固定位置に印をつけます。テープ貼りが面倒ならペンで棚受けレールの固定位置に点を付けるやり方でもよいと思います。その際、棚受けレールは水平器で確認しながら仮設置しましょう。ネジの仮止め箇所は木下地がある部分がお勧めです。レールの仮止めはマスキングテープでの固定でも大丈夫です。
棚受けレールは上下の向きで穴位置が違う場合があるので注意してください。
2.取り付け穴の位置合わせとドリルでの穴あけ
穴部分についてはペンで印をつけておきます。ペンで印を付けた場所にアンカーの大きさに適した穴をドリルであけます。
3.石膏ボード用アンカーを壁に固定
ドリルで開けた穴に石膏ボード用アンカーを固定していきます。トヨタホームの場合、下地位置の解説があるので、それを参考に下地部分には直接ネジ止めをしていきます。今回の棚受けレールの長さは919mmしかなく、位置的に1箇所にしか木下地にネジを引っ掛けることができないため、残りのネジ固定部分は全てアンカー入れる形になりました。
4.棚受けレールをネジ止め
アンカーさえ所定の位置に設置できればもう完成したも同然です。棚受けレールをネジ止めしていきましょう。
5.棚受け金具、棚板の設置
棚受けレールが全て固定できたら棚受け金具を必要な箇所へ設置し、棚板を乗せていきます。
所要時間
作業時間的には1時間30分以上2時間以内という感じです。左右のステーにずれが出ないようにとゆっくりと慎重に作業をしました。
水平器での確認
水平器で確認すると棚板、棚受けレールともに水平は取れているようで安心しました。
エッジテープ施工
棚板は幅を調整したためカットしてあり断面がむき出しになっています。そんなときはエッジテープ(同色のもの)で断面部を隠しましょう。今回の場合は、板の側面部で設置したら隠れてしまう部分ですが、細部に拘りたかったので見えないところですがエッジテープを貼りつけました。
ビフォー・アフター
【Before】収納の高さ方向には何もありません。使用されていない突っ張り棒の棚のみがあります。
【After】棚板を3枚設置、収納下側にはハンディ掃除機を置くため1m程の空間を空けています。
【収納後】今まで窮屈に収納していたアイテム群が余裕を持って収納できています。
棚板DIYで一番重要なのはアンカーの位置合わせ
アンカー自体の設置は簡単ですが、穴がずれているとステーの設置に狂いが出てしまいます。アンカーの設置は作業に失敗しやすい箇所であり、棚板DIYにおいては一番慎重に作業しなければいけない部分です。今回、棚受けレールの長さは919mmあり、取付穴も6箇所と多くありましたので、1~2個アンカー止めの設置を失敗しても強度にはあまり影響がなかったため、失敗を恐れず思い切って作業を進めました。
プロに頼むといくらかかる?
最初、DIYするのは不安だったため、ネットにて業者へ施工費の見積もりをしましたが、今回のような場合の施工費は1万円~1.5万円が相場のようでした。(部材は全て施主支給の場合)
施工費を少しでも安くあげるためにはくらしのマーケット等のサービスで業者や職人さんを探すのが良いでしょう。
施工費の見積もりや工事を頼むことのできるサイトは以下のようなものがあります。DIYに自信のない方や施工費用が納得出来る金額であればプロに頼むのもありかもしれませんね。
1.くらしのマーケット >>> サイトURL:https://curama.jp/
2.ホームプロ >>> サイトURL:https://www.homepro.jp/
3.ミツモア >>> サイトURL:https://meetsmore.com/
まとめ
今回はリビング収納にDIYで可動棚を設置した様子を紹介させていただきました。収納に棚が増えると一気に収納力が増し、ごちゃごちゃしていた収納がすっきり整理された収納に生まれ変わります。家の収納が増えてみんな大満足です。
満足度が高い棚のDIY
可動棚の設置はとても満足度が高いDIYと感じます。作業が不安な方でも、ネット上の様々な棚DIYに関連したウェブサイトに必要な情報はたくさん出てきますので、予習をして作業に臨むと失敗も少なくなります。一番失敗しやすいと感じた場面はアンカー設置の部分で、アンカー止めの狙い位置がずれないよう慎重に作業する必要がありました。そこさえ無事クリアできれば後はとても簡単な作業となります。
DIYは楽しい
一度DIYの成功体験を味わうと、自信が付いて次から次へと作業をしたい意欲が湧いてきます。DIY作業そのものは大変な労力を要しますが作業自体はとても楽しいです。工具や部材さえ揃えばすぐに実行に移せるので、現在の収納に満足していない方は是非、棚板のDIYを検討してみてください。
DIY作業は今回の他に寝室のテレビ壁掛けも行っており、その時の記事も御覧いただけると嬉しいです。
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