トヨタホームは鉄骨ユニット構造を採用しており、柱の少ない大空間の間取りを実現できるのが大きな魅力です。
この構造上のメリットを最大限に活かすため、我が家の実例をもとに「1階の間取りづくりで意識したポイント」をご紹介します。
・これから家づくりを始める方
・1階の間取りに悩んでいる方
・各部屋の広さに迷っている方
・採光(ひかりの取り入れ方)を重視したい方
我が家の1階間取り
まずは、我が家の1階間取り図をご覧ください。
玄関が西側にある、やや珍しい構造となっています。

家のコンセプトについて
我が家では、LDKをすべて南側に配置しました。
日中の採光を最大限に取り入れることで、どの時間帯でも明るく快適に過ごせる空間を目指しました。
唯一、北側に配置しているのは和室のみ。
また、東側は道路に面して開けており、朝日が入りやすいことから、洗面所とお風呂を東側に配置。北側にありがちな暗くなりやすい水まわりを、少しでも明るくなるよう工夫しました。

家づくりのコンセプト:
全室に自然光がたっぷり差し込む、明るく心地よい住まい。
日当たりと窓
家づくりの中で、我が家が最も重視したのが日当たりです。
LDKをすべて南側にまとめ、2つの大きな窓を設けることで、日中は照明なしでも過ごせるほどの明るさを実現しました。
- ダイニングの窓: 幅3mのバイパス窓(中央+両側の3枚構成)
- リビングの窓: 幅2.5mの大開口窓
どちらもハイサッシ(高さ2m30cm)で、天井(約2m40cm)ギリギリまであるため、開放感は抜群。窓からの景色も広く、美しい眺めが楽しめます。
ちなみに、当時は幅4mの窓も選べたのですが、壁面が少なくなりすぎると家具が置けないため、実用性を考慮してサイズを抑えました。

ユニット数・組み合わせを意識する
トヨタホームの家づくりでは、ユニットの数=コストに直結します。
なるべく大きなユニットを必要な数だけ使い、家全体の形を長方形や正方形にまとめることが、コストパフォーマンスの良い設計のコツです。
複雑な形(コの字型・クランク型など)は、どうしても小ユニットが増えてコストアップにつながるため、特別な理由がない限り避けたほうが無難です。
柱抜きについて
トヨタホームは、同じ鉄骨系ハウスメーカーであるセキスイハイムよりも太く頑丈なフレームユニットを使用しており、補強設計をすることで**「柱抜き」が可能**です(※セキスイハイムでも可能)。
柱を抜くことで、ユニット構造でありながら大空間LDKを実現できます。
我が家の1階は7つのユニットで構成されていますが、そのうち4か所(図中の赤枠部分)で柱を抜いたことで、広々としたLDKを確保しました。

構造強度を保ったまま柱を減らすことが可能なので、設計上許す限り、積極的に検討したいポイントです。
玄関の向きについて
西向きの玄関
一般的な住宅では南向き玄関が圧倒的に多いですが、玄関を南向きにすると、その分南側のスペースが圧迫されてしまいます。
その結果、ダイニングやキッチンが暗くなりがちな北側へ追いやられることになります。
LDK全体を南側に配置したい場合には、スペース的に有利な北側玄関がおすすめです。
我が家は、駐車場からのアクセスを重視して西向き玄関にしました。
ただし、西向き玄関は夏場に西日で非常に暑くなるというデメリットがあります。
逆に東向き玄関は、午前中に太陽光が差し込み冬は暖かいため、意外とおすすめです。

玄関位置によるメリット・デメリット
南向き | 見た目は良いが、南側スペースが削られる |
北向き | LDKを南側に最大限確保できる |
東向き | 南側配置がしやすく、午前中は日当たり良好 |
西向き | 南側配置はしやすいが、西日が暑い |
実際のところ、家の広さに余裕があれば南向き玄関が無難ですが、北向き玄関もなかなかおすすめです。
玄関収納と広さ
我が家は玄関を少し広めに設計し、玄関クローゼットを設けました。
自転車や普段使いのガーデニング道具(ジョウロや芝刈り機など)を置けて、とても便利です。
収納は以下のように設置しました。
- 靴入れ(トール収納)×2箇所
- 通常の収納×1箇所
- 上部棚およびハンガーパイプ×1箇所
なお、ハンガーパイプは冬場にコートをかける想定で設置しましたが、実際には使っていません。
寒いため、リビングでコートの脱ぎ着をすることが多く、現在は傘を掛けるのに使っています。
玄関を広く見せる工夫
玄関は同じ面積でも、横幅を持たせた方が広く見えます。
我が家は奥行こそないものの、横幅を取るようにしましたので、かなり広く見えます。
家事導線
家事導線については、妻の強い希望があったため、間取り計画の初期段階から設計士さんへ要望を伝えていました。
特に重視したのは、「キッチンと洗面所が繋がっていること」。この条件を満たすことで、
- リビングから洗面所へのアクセス
- 洗面所からキッチンへのアクセス
がスムーズになり、結果として
リビング → ダイニング → キッチン → 洗面所(+お風呂) → リビング
という「1周できる回遊動線」が実現できます。
キッチンの先が行き止まりになっていると、洗面所に行くたびにリビングやダイニングを通らなくてはいけません。日々の家事効率を考えると、動線設計は非常に重要です。
洗濯干し場
一般的には2階のベランダが洗濯干し場になりますが、1階に設けるのがおすすめです。
我が家では、1階ダイニング前の窓にタイルテラスと屋根を設置し、物干し竿を設けて洗濯干し場としています。
洗濯物はキッチンを通って、ダイニング前の窓から最短ルートで干すことができ、とても効率的です。
なお、2階のベランダにも物干し竿がありますが、入居以来一度も使っていません。
また、洗面所に室内干しスペースがあると、雨の日も安心です。
リビングスルー階段
階段に特にこだわりがない場合は、リビングスルー階段を採用するのがおすすめです。
子どもが学校から帰宅した際、必ずリビングを通るため自然と家族の顔を見て挨拶ができるようになります。また、友達を連れてきた時も誰が来ているか把握できるメリットがあります。
デメリットとしては、2階に行くたびにリビングを通るため、リビングを常にきれいに保つ必要があります。
収納
収納は「多すぎるくらいでちょうどいい」と思っています。
間取りに余裕があるなら、1カ所でも多く設けるのがおすすめです。
我が家では、
- リビングに1カ所
- 和室に2カ所
の収納を設けています。
リビングの収納には、ティッシュ・トイレットペーパー、防災グッズ、掃除機などを収納。また、ブレーカーBOXもここに設置しました。
掃除機はスティックタイプを使用しているため、収納内に充電用のコンセントは必須です。
収納内は上部が空きがちなので、2段ほど棚を設けると使い勝手が良くなります。

ダイニング


ダイニングからリビングを見た構図では、我が家ではカウンターと本棚を設けました。
- 本棚:子どもの本や学習教材の収納に便利
- カウンター:子どもの学習スペースに最適

また、カウンターには妻のノートPCを常設しています。
壁にはコルクボードも設置しており、家族のスケジュールや学校の作品、写真などを貼って有効活用中です。
さらに、ダイニングやリビングに「1帖分の余裕スペース」があると非常に便利。
- 子どもが小さい頃はベビーベッド置き場に
- 小学生になるとランドセルラック置き場に
特に低学年のうちはダイニングで宿題をすることが多いため、近くにランドセル収納があると動線的にも便利です。
洗面所は広く!
洗濯機を置くことを考えると、洗面所はできるだけ広めにしておきたいところです。
我が家はそこまで広さを意識していなかったため、やや手狭。
お風呂上がりの脱衣スペースとしては、大人1人+小学生2人が限界です。
収納面では、
- 天井までのトール収納:タオルや下着を収納
- 洗濯機上の可動棚:洗剤や漂白剤など洗濯用品の置き場に最適
さらに、室内干しを想定している場合は、広めのスペース確保が重要です。
我が家ではセントラル換気扇を洗面所の天井に設置しています。
天井はやや低くなりますが、脱衣所なので特に不便はなく、排気口がすぐ上にあるおかげで空気の入れ替えもスムーズ。除湿機+サーキュレーターの併用で洗濯物もよく乾きます。

室内物干し竿
洗面所には室内用の物干し竿を設置。
紐を引いて竿を下げるタイプで、使わないときはスッキリ収納できます。(写真は収納状態)

お風呂
おすすめは1618サイズ以上。
一般的な1616サイズに比べて約20cm洗い場が広くなるので、大人2人+小さな子ども2人の4人でも一緒に入れます(多少窮屈ですが)。
ただし、広すぎても掃除が大変なので、4人家族には1618が最もバランスの取れたサイズだと思います。
物干し竿は2本設置できる仕様がおすすめ。雨の日にも役立ちます。
LDKの広さ
我が家のLDKは20帖。広すぎず狭すぎず、非常に満足しています。
経験的には、最低でも16帖は欲しく、広くても24帖以内に収めるのがベスト。
20帖あれば、
- ソファを置いても余裕あり
- テレビ前にも広々スペース
- 子どもたちが走り回れる
くらいの快適さです。
1階トイレ
1階トイレはお客様も使うため、タンクレストイレ+上位グレードがおすすめ。(あくまで趣味の世界ですが)
また、予備のトイレットペーパーや掃除道具を隠せる収納スペースも忘れずに。
2階トイレ
2階もタンクレストイレを採用し、手洗いカウンター付きにしました。
2階トイレは家族専用なので多少狭くても問題なし。収納スペースがなくても大丈夫です。
当初、手洗いカウンターを設置することで配管が増え、下の洗面所スペースが圧迫される懸念がありましたが、アラウーノを採用したことで解決。
便器と手洗いが一体型のため、配管が1本で済んだのは大きなメリットでした。

まとめ:理想の1階間取りを叶えるために
トヨタホームの強みである「鉄骨ユニット構造」を活かすことで、間取りの自由度が格段に広がります。1階の間取りを考える際には、以下のポイントを意識することで、より快適で機能的な住まいを実現できます。
■採光を最優先に考える
LDKは南側にまとめ、できるだけ大きな窓を配置することで、自然光が降り注ぐ明るい空間になります。ハイサッシの採用で開放感も演出でき、日中は照明いらずの快適さです。
■玄関位置は動線と採光のバランスで決める
西向きや北向きなど、一般的でない配置にもメリットがあります。LDKを南側に集中させるためには、あえて南以外の玄関配置も有効です。ただし、方角ごとのデメリット(例:西日の暑さ)も考慮しましょう。
■ 家事導線は回遊型がおすすめ
キッチン、洗面所、浴室をスムーズにつなげることで、毎日の家事効率が大幅にアップ。行き止まりのない動線は、家族の移動も自然に、ストレスのない暮らしを実現します。
■1階で洗濯物が干せると圧倒的に楽
キッチンから近い屋外干し場は家事の負担を軽減。雨の日でも室内干しができるスペースを洗面所に用意すると、さらに便利です。
■リビングスルー階段で家族のコミュニケーションを
階段をリビングに設けることで、自然と家族が顔を合わせる機会が増えます。防犯や子どもの交友関係を把握しやすい点もメリットです。
■収納は「多すぎる」くらいがちょうどいい
リビング、和室、玄関など、場所ごとに用途を分けた収納があると使いやすさが格段に違います。とくにコンセント付き収納は、掃除機や防災グッズの管理にも最適です。
■ユニットの組み合わせ・柱抜きにも注目
ユニット数や配置を工夫することでコストを抑えつつ、構造的にも安定した間取りを組むことができます。柱抜きによる大空間もトヨタホームならではの魅力です。
1階の間取りは、家族の暮らしやすさに直結する大切な要素です。間取りに悩んでいる方は、生活スタイルをしっかりイメージしながら、動線や採光、収納のバランスを丁寧に検討してみてください。トヨタホームの自由度の高さを上手に活かせば、きっと理想の住まいが実現します。

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