注文住宅の間取りで「リビングの形」は、住み心地を大きく左右します。特に人気なのが「L字型リビング」と「I字型リビング」。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説し、さらに我が家が実際に採用したI字型リビングの使い勝手や後悔ポイントも包み隠さずご紹介します。

これから家づくりを始める方、間取りの見直しを考えている方の参考になれば幸いです。
- L字型リビングとI字型リビング、それぞれのメリット・デメリットが知りたい
- LDKの配置で迷っている
- LDKを広く見せたい
- キッチンの使い勝手が気になる
そもそもL字型リビング・I字型リビングとは?
L字型リビングとは?


「L字型リビング」は、LDKの一部がL字に折れ曲がった構成になっている間取り。
キッチンとダイニング、リビングがそれぞれ少し距離を保ちながら配置されているため、空間にメリハリが生まれます。


I字型リビングとは?


「I字型リビング」は、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)が一直線に並んだ間取りのこと。
キッチンからダイニング、リビングまでが横並びに配置されており、見通しが良く、家事動線もスムーズです。





上図は我が家と非常に似た間取りの実例で、I型リビングのため奥行きがあり、広く見えます。さらに、ダイニングとリビングの位置を少しずらすことで視線が対角線上に抜け、より開放的な印象を演出できます。


【比較】L字型とI字型リビングの特徴・違い
比較項目 | L字型リビング | I字型リビング |
---|---|---|
空間のつながり | 緩やかに区切られ独立感あり | 一体感があり広く感じる |
家族の気配 | 視線が外れる部分がありやや感じにくい | 常に家族の様子が見えやすい |
家具配置の自由度 | 比較的自由に配置しやすい | 直線配置が基本で制限あり |
採光・風通し | 場所によって偏りが出やすい | 光と風が通りやすい |
生活音 | 音が分散されやすい | 反響しやすくうるさく感じることも |
デザイン性 | 奥行き・奥まった感が出せる | スッキリした印象 |
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L字型リビングのメリット・デメリット
メリット
- 空間にメリハリが出る
キッチンとリビングがL字に配置されることで、それぞれの空間が自然と分けられ、生活にメリハリが生まれます。 - プライベート感を確保しやすい
リビングが奥まった位置になるため、玄関や廊下からの視線が届きにくく、くつろぎ空間としての役割を果たしやすいです。 - インテリアの自由度が高い
壁面が多く取れることで家具配置のパターンが増え、自分たち好みのインテリアが実現しやすくなります。
デメリット
- 採光・通風に注意が必要
L字の奥側にリビングを配置すると、窓の位置によっては光や風が届きにくくなることがあります。 - 間取り全体の調整が難しい
L字型にするためにはある程度の敷地の広さや間取りの工夫が必要で、プランニングの自由度はやや下がります。 - 家族の気配が感じにくい場面も
リビングがキッチンから死角になる場合、子どもの様子が分かりづらくなることもあります。
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I字型リビングのメリット・デメリット
メリット
- 動線がシンプルで使いやすい
リビングからダイニング、キッチンへと一直線につながる配置は、家事や生活動線が明確でスムーズ。家族間のコミュニケーションも取りやすいです。 - 間取りの無駄が少なく、コスト効率が良い
壁の配置や冷暖房効率を考えると、I字型はシンプルな分、無駄なスペースを省きやすく、設計・施工コストも抑えられます。 - 家具の配置がしやすい
長方形の空間はソファやダイニングセットのレイアウトがしやすく、ゾーニングも明確にできます。
デメリット
- 単調に感じやすく、奥行きの印象が薄れることも
一直線の空間は、奥行きが出にくく、視覚的に「のっぺり」とした印象になることがあります。 - 視線の抜けが不足し、狭く感じることもある
壁の位置や窓の取り方によっては、空間に広がりを感じにくいことがあります。
我が家の場合
わが家ではI字型リビングを採用しましたが、そのままだとやや狭く感じてしまう可能性があるため、対角線上の視線を意識した家具配置や窓の設計を行いました。これにより、空間に自然な「抜け」が生まれ、視覚的な広がりを感じやすくなっています。
例えば、ソファの配置を斜め方向に振る、窓の位置を対角に配置するなど、視線が部屋の奥へと流れるようにするだけで、同じ面積でも開放感が大きく変わります。


我が家のI字型リビングのちょっとした後悔ポイント
I字型リビングにしてよかったと感じる点は多いものの、実際に暮らしてみて「ここは少し気になるかも…」と感じた点もあります。ここでは、我が家が感じた小さな後悔ポイントをご紹介します。
- 家具の配置がワンパターンになりやすい
空間が一直線に広がっているため、テレビやソファの配置がほぼ固定されがちで、模様替えの自由度があまり高くありません。 - 生活感が丸見えになることも
キッチン・ダイニング・リビングが一直線なので、リビングからダイニングの生活感が見えやすく、常に片付けを意識する必要があります。 - 冷暖房の効率にムラが出る
空間が広くて長いため、エアコンの風が届きにくい箇所が生じます。実際、サーキュレーターなどで空気を循環させる工夫が必要になりました。
とはいえ、これらは大きな後悔というよりは「もっとこうしておけばよかったかも」というレベル。間取り全体としては非常に満足しているので、設計段階でこうした点も想定しておくと、より快適な住まいになると思います。


家族構成やライフスタイルで選び方は変わる
L字型リビングとI字型リビング、どちらが良いかは「家族構成」と「ライフスタイル」によっても大きく変わります。
たとえば、小さなお子さんがいるご家庭の場合、キッチンからダイニングがすぐ見えるL字型は非常に便利です。料理をしながらでもお子さんの様子がすぐに確認できるため、安全面でも安心できます。また、テーブルまでの動線が短く、食事の準備や後片付けもスムーズです。
一方で、来客が多いご家庭やリモートワークが多い家庭では、I字型リビングのほうが空間にゆとりがあり、生活と仕事、来客スペースを分けやすくなります。ダイニングやリビングが一直線に並ぶため、視線が抜けて開放感が生まれ、来客時にも「家の奥まで見られにくい」配置にできます。
また、夫婦2人だけの世帯や子育てを終えたご家庭では、I字型のように空間を広く使える方が快適に感じられるかもしれません。キッチンのプライベート性が高くなり、すっきりとした空間で落ち着いた生活ができます。
さらに、テレビやソファをどこに置くか、どんな風に過ごす時間が多いかによっても向き・不向きが出てきます。テレビを中心に家族が集まる時間が長いなら、I字型でリビングの中心にソファを置くレイアウトが適していることも。一方で、キッチンやダイニングが日常の中心になるライフスタイルなら、L字型のコンパクトな動線が生きてきます。
このように、「間取りの形」だけでなく、「どう暮らしたいか」「誰とどう過ごすか」によって、最適なレイアウトは変わります。設計時には、今の生活だけでなく、5年後、10年後の暮らし方も想像しながら選ぶことが大切ですね。




まとめ|自分たちの暮らしに合ったリビングを選ぼう
L字型・I字型、どちらのリビングにも魅力と課題があります。それぞれの特徴を理解したうえで、「自分たちの暮らし方」にフィットする間取りを選ぶことが大切です。
L字型リビングは、キッチンとダイニングの動線が短く、作業効率を重視したいご家庭におすすめ。特に、小さなお子さんがいる家庭や、食事の準備・片付けをスムーズにしたい方に向いています。
I字型リビングは、空間の広がりや開放感が魅力。来客が多い家庭や、リビング・ダイニングを一体的に使いたい方、また、夫婦二人など落ち着いた暮らしを求める方にも最適です。
家族構成や生活スタイル、将来の変化まで見据えたうえで、「自分たちにとって何を大切にしたいか」を明確にして選ぶことが、後悔しない家づくりにつながります。
L字型とI字型、どっちが向いている?チェックポイント
以下のような生活スタイルや重視ポイントに応じて、間取りを選ぶと失敗しにくくなります。
生活スタイル・希望 | おすすめ間取り |
---|---|
キッチンの作業効率を重視 | L字型 |
家族とのコミュニケーション重視 | I字型 |
来客が多くプライベートを守りたい | I字型 |
小さなお子さんがいて目が離せない | L字型 |
我が家の場合はI字型リビングで、リビングとダイニングの空間を少しずらし、部屋の角と角を結ぶ対角線を長くして空間が広くみえるようにしています。



我が家の生活スタイルではI字型で良かったと感じています。
どちらのスタイルも、「間取りをどう活かすか」で使い勝手や印象が大きく変わります。対角線を意識したレイアウトや、キッチンカウンターの設置などの工夫次第で、暮らしやすさはさらにアップします。
ポイントは、「今の暮らし」+「これからの暮らし」まで見据えること。
ライフステージの変化も視野に入れながら、将来も快適に暮らせるリビングレイアウトを考えていきましょう。




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