10年以上使用した一眼レフ Canon EOS 60D(APS-C機)がとうとう機械エラーで使えなくなってしましました。これを機に念願のフルサイズ機であるEOS RPへ移行しました。
Canon EOS RPはエントリーモデルの部類となりますが、流石にフルサイズ機だけあって、画質は最高です。ISO感度オート最大6400で運用していますが、綺麗かつシャープに撮影することができるので、屋内の撮影でも歩留まりが良く、シャッターでの失敗が激減しました。
EOS RPは円安である2022年11月現在でも12万円前後と比較的手が出しやすい価格帯となっています。最近ではR7やR10というAPS-Cセンサーの最新ミラーレス機も発売されました。EOS R10に至っては12万円前後という非常にお値打ちな価格帯での登場となっており、EOS RPと価格が近いためどちらを購入すべきか迷ってしまいます。
今回、非常に悩んで悩みまくった結果、最終的にフルサイズであるEOS RPを購入することとなりました。
スペックの違い
今回購入したEOS RPと競合で迷ったのが2022年時点での最新モデルであるEOS R10でした。RPとR10の大きな違いはセンサーサイズがフルサイズ(RP)かAPS-C(R10)かです。
フォーカス性能では最新モデルであるR10が圧倒的に優れています。デュアルピクセルCMOS AF II(第二世代)搭載による動体撮影の追従性は最強といっていいでしょう。一方でRPは2019年発売とすでに3年が経過しておりAFシステムは第一世代であり、映像エンジンも一世代古いDIGIC8のため、R10と比べるとシステム自体が古いというデメリットがあります。
機種 | EOS 60D | EOS RP | EOS R10 |
有効画素 | 約1800万画素 | 約2620万画素 | 約2420万画素 |
撮像画面サイズ | 約22.3×14.9mm | 約35.9×24.0mm | 約22.3×14.9mm |
シャッター速度 | 1/8000~1/60秒 | 1/4000~30秒 | 1/4000~30秒 |
連続撮影速度 | 約5.3コマ/秒 | 約5.0コマ/秒 | 約23.0コマ/秒 |
フォーカス方式 | TTL 二次結像位相差検出方式 | デュアルピクセル CMOS AF | デュアルピクセル CMOS AF II |
常用ISO感度 | ISO100~6400 | ISO100~40000 | ISO100~32000 |
発売年 | 2010年 | 2019年 | 2022年 |
販売価格 | 7万円前後(2012年) | 12万円前後(2022年11月) | 12万円前後(2022年11月) |
フルサイズかAPS-Cか
そこまでカメラに拘らない性格であれば最新モデルであるR10を選んでいたところですが、「フルサイズへの憧れ」や「自分の撮影スタイル」を考えるとやはりフルサイズがベストチョイスのようです。最新モデルのR10(APS-C)と3年前モデルのRP(フルサイズ)を比べた場合、RPのメリットはセンサーサイズが「フルサイズ」で、「常用ISO100~40000」という二つの点だけですが、私にはそれがとても重要なポイントでした。
EOS RP購入の決め手
EOS R10は最新の映像エンジンDIGIC Xを搭載し、APS-C機でありながら常用ISO100~32000と感度がとても高く、さすが最新機種というスペックとなっています。フォーカス性能もデュアルピクセルCMOS AFⅡという二世代目のAF方式を採用しており、RPは一世代目のAF方式なのでフォーカス性能ではかなりの差がついています。それでもフルサイズのRPを選ぶ理由が私にはありました。
私のミラーレス一眼カメラとしての使い方は、風景や子供の撮影であり、激しいスポーツでの撮影はありません。そのためフォーカス性能が多少古いものでも撮影には支障なく、むしろ1枚の絵が高画質の方が好ましい状態でした。
RPが最新機種であるR10よりフォーカス性能が劣っていたとしても、10年以上前のEOS 60Dと比べると遥かに性能が上となります。そのため、最新機種であるR10よりも「フルサイズで高画質・高感度耐性があるRP」にメリットを感じ、それが購入の決め手となりました。
購入価格
1.ボディ:EOS RP・・・118,800円
2.レンズ:RF24-105mm F4 L IS USM・・・166,320円
3.コントロールリングマウントアダプターEF-EOS R・・・25,245円
合計・・・310,365円
2022年11月、近隣のカメラショップにて購入
世界的な情勢(半導体不足)と円安が重なり2022年は家電をはじめとするデジタル機器全般は大幅な値上げとなっています。
カメラ本体やレンズ自体の値上がりも激しく、元々10万円ちょっとで購入できていたRPのボディも12万円前後とじわじわと値上がっており、またRF24-105mm F4 L IS USMも16万円超えとなってしまい気軽に購入出来なくなっています。私の場合、標準レンズはAPS-C用しか所有しておらず、別途フルサイズ用の標準レンズを購入する必要がありました。
予算が厳しい中ではありましたが、今回はLレンズで映りに定評のあるRF24-105mmF4L IS USMを購入しました。
このレンズはRシリーズのカメラ本体と同時発売のものであり、王道な焦点距離と明るさである24-105mmかつF4通しという魅力的なレンズです。解放からシャープに撮ることができ、今でもとても人気が高いレンズです。
EOS60D(APS-C機)を使用していた時はEF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USMを使用しており、35mm換算で24-136mmという非常に似た画角での使用でしたので、今回の新しいレンズも違和感なく使用することが出来ました。
EOS RP+RF24-105mm F4L IS USM 一週間使用レビュー
土日を利用して家族でおでかけして色々撮影してきました。RF24-105mm F4L IS USMは流石ににLレンズだけあり、色乗りや周辺のシャープさは素晴らしいものがあります。
撮影モードはほとんどAVモード(絞り優先)なのですが、ISO感度も6400までオートで設定し、ほぼブレが無い写真が撮影できています。
使用機種がフルサイズとなっただけで良好な画像が撮れるようになったのは非常に満足度が高いですね。
EOS RP 一週間使用レビュー
- 【画質】フルサイズのため申し分なし。高感度耐性が高く、ISO6400位までは粗さが気にならず常用できるレベル。
- 【携帯性】フルサイズなのに小さく軽い。気軽に持ち出しが出来るようになった。
- 【液晶】EOS 60Dからの買い替えなので非常に綺麗と感じる
- 【デザイン】ダイヤルの出っ張りのないスリムなデザインが気に入っている
- 【操作性】ボタンが小さいのでやや操作がしにくいが、タッチ液晶が右寄りになっており、タッチによるAF移動がしやすい。
- 【バッテリー】日常使いなら十分だが、バッテリー容量が小さく300枚前後で限界が来てしまう。遠出の際は予備バッテリーが必要。
- 【機能性】ミラーレス最新機種と比べAF性能と連射が弱いのでスポーツ撮影には向かない。
- 【ファインダー】焦点のズーム時や大幅移動時に一瞬フリーズする時があり不快。
- 【ホールド感】一眼レフと比べサイズが小さいためやや持ちにくい。女性にはベストマッチな大きさかも。
RF24-105mm F4L IS USMと所有レンズ
このレンズは重量700gと重く、ズーミングトルクはややかためですが、作りはとても堅牢で見た目の高級感があります。フィルター径も77mmと大型で迫力満点です。24-105mmという広角から中望遠まで撮影ができる絶妙な焦点距離は撮影していてとても楽しいです。防塵防滴仕様のため屋外でも安心して使用出来、RP自体もエントリー機種ながら防塵防滴が備わっているためこのレンズの性能を生かせます。
また、望遠用としてEF70-300mm F4-5.6L IS USMを所有しており、こちらはマウントアダプター経由で使用することになりそうです。このレンズは普段使いではほぼ持ち出すことがなく、現在では年に1回の子供の運動会でのみ持ち出している状況です。1kg超えと重いですが写りはとても良いです。
仕様:https://cweb.canon.jp/ef/l-lens-j/line-up/ef70-300mm_is_usm.html
スマホとの連携、GPS付与
カメラとスマホをWi-FiとBluetoothにて接続が可能です。スマホから撮影した画像を見ることが出来るのはもちろんのこと、GPSを転送して画像に付与することもできます。接続も一度連携してしまえば、カメラをオンにするだけで自動的に専用アプリにつながります。GPSを付与できることは旅先での記録となりますからかなり便利です。
EOS M100の時もGPS付与のためにスマホ連携していましたが、RPのスマホ連携性の安定度はM100と比較してかなり増していました。
Camera Connectアプリ:https://cweb.canon.jp/eos/software/cc.html
アプリにはカメラ内画像閲覧機能があり、旅行等の出先でスマートフォンへ画像を転送してデータ共有できたり、カメラの電源を入れると自動でBluetooth接続されたりととても便利です。
メリット
フルサイズセンサーとF4通しレンズによる大きなボケと描写の美しさです。屋内でもISO感度を上げて十分にシャッタースピードを稼げるため、明るさはF4.0で十分です。EOS 60Dの時はノイズ的にISO800あたりが限界だったため、それと比べるとISO6400が普通に使えるのは夢のようです。出てくる画質もよほどの暗所でなければノイズが少なく十分綺麗です。
また、このRPは液晶が右側に寄っているため、タッチよるAF移動がとても楽です。エントリー機種のためマルチコントローラーは無いものの、タッチにより代替が出来るのはとても便利です。
上写真のようにF4.0という明るさでもでもフルサイズなら十分にボケが得られます。初めてフルサイズ機で撮影したときはあまりのボケ量に驚きでした。フルサイズでのF4.0がAPS-CでのF2.8に相当するため、フルサイズが明るさでいかに有利かがわ分かります。
デメリット
一眼レフからの移行ですと電池の持ちの悪さが気になります。一般的な一眼レフの半分以下のバッテリー持ちになってしまっています。現在、互換バッテリーを2個購入しバッテリー3個での運用ですが、一日中撮影していると2~3個のバッテリーを消費してしまいます。
泊りでの旅行や撮影が多い外出の場合、バッテリーは2~3個持っていくのが良いでしょう。
純正バッテリーは高いため、私は専ら互換バッテリーを使用しています。その中でもロワジャパンのバッテリーは信頼性がありお勧めです。
本体カバーを取り付けて傷防止
これは趣味の世界ですが、Amazonで安いカバーが販売していますので、下のような下部と表面一部を保護するカバーを付けています。シリコンでカメラ全体を覆うカバーも販売しています。カバー自体は中華製ではありますが、思ったより精度は良くフィッティングは問題ありませんでした。カメラへの傷が気になる方にはカバー装着がお勧めです。
EOS RP用のカバーを調べていくと、下のようなシリコン製の本体全体をガードするカバーもありました。本体を完全ガードしたい方には良いかもしれません。
Canonフルサイズミラーレスの汎用性の高さ
Canonミラーレス一眼 EOS Rシリーズの最大の特徴が、EF-EOS R用のマウントアダプターを使用することで、一眼レフ時代のEFレンズ・EF-Sレンズが使用できるようになることです。
過去のレンズ資産が生かせるのは素晴らしいですし、さらにAPS-C専用レンズでも装着することができ1.6倍クロップで撮影できるのには驚きました。さらにはフルサイズ用のレンズでも1.6倍クロップ撮影が出来るので、どうしても望遠が必要な場面では約に立ちそうですね。
私はコントロールリング付きのマウントアダプターを購入しました。コントロールリング無しのものとでは2倍の価格差ですが、EFレンズもRFレンズ同様にコントロールリングを割り当てて使いたかったので、コントロールリング有りのものをチョイスしました。
まとめ
今回、新しくEOS RPを購入したことで、休みの日はカメラを持って家族と出かける機会が増えました。カメラサイズがコンパクトで軽量であることは強みですね。いつでも気軽に持ち出せるというのが重要ですね。スマホでの撮影とは違う色合い、立体感のある写真が撮影できることは素晴らしいです。
私は基本RAW形式での撮影で、家に帰ってきてからLightroomで現像しますが、1枚1枚の映りが良いため、現像自体がとても楽しくなりました。
EOS RPはミラーレスフルサイズ機の中では一番下のエントリーモデルですが、カメラ初心者を脱することが出来ない私の使い方では十分な機能を備えていることと、12万円前後という価格でとても手が出しやすく、それでもって映りが非常に良いという素晴らしいカメラです。
EOS RP(3年前のフルサイズ機)かEOS R10(2022年最新のAPS-C機)のどちらかで迷われている方は、自分の撮影スタイルに応じて選ぶ必要がありますが、私のように風景や子供など家族の撮影が多い方は例えモデルが古くてもフルサイズであるEOS RPをお勧めしたいです。
3年前の古いモデルとはいえ普通に使う分には十分な性能ですので、動体物のスポーツ撮影がメインでなえればEOS RPが絶対お勧めです。
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