新築計画時にバルコニーを設置するか、そして設置する場合、その形状や大きさに迷いますよね。
バルコニーといえば、洗濯物干し場のイメージが強いです。
二階で洗濯物を干すことが決まっていれば、バルコニーは必須になりますし、一階で洗濯物を干したり、室内干しがメインであれば不要かもしれません。
今回はそんなバルコニーの必要性について記事にしました。
バルコニーの必要性

最近、バルコニーを設置しない家をよく見かけます。
必要か不要か判断材料の一つとして、バルコニーのメリット・デメリットをいくつか挙げてみました。
メリット
・洗濯ものが干せる
・布団が干せる
・室外機が置ける
・食事が出来る
・一階部分の屋根代わりになる(張り出しタイプの場合)
バルコニーの主な用途といえば洗濯物干しや布団干しですね。
また、室外機の設置場所として使えることも便利なポイントです。
中でも、私が「最も役立った」と感じているのは「一階部分の屋根代わりになる」こと。総二階建ての住宅では一階に軒が無いことも多く、雨が直接窓に当たりやすくなります。バルコニーがあることで、窓が汚れにくくなるという副次的な効果がありました。
デメリット
・費用がかかる
・メンテナンスが必要
・定期的な清掃が必要
・活用しないと無駄なスペースになる
・雨漏りのリスクがある
設置にはそれなりの費用がかかりますし、清掃などの手間も発生します(後述に費用例あり)。
ただし、こうした管理上のデメリットと、メリットを天秤にかけて、自分にとってどちらの価値が高いかを検討するのが大切です。
我が家の場合、洗濯物を二階で干す予定はありませんでしたが、室外機を2台置く予定をしていたため、バルコニーを設置しました。
我が家の場合

我が家では、洗濯物は二階で干す予定はなかったものの、室外機を2台設置する必要があったため、バルコニーを採用しました。
形状は「キャンチバルコニー(片持ちバルコニー)」で、鉄骨ユニットの外側に張り出した構造になっています。
キャンチバルコニーとは?
キャンチバルコニーは、建物の外壁に直接固定されるタイプで、柱が不要というメリットがあります。
また、建物内部の床面積を消費せずに設置できるため、スペースを有効に活用できます。
一方で、工法の都合上、奥行きが1m前後と狭くなりがちで、用途が限られる点は注意が必要です。
奥行きを広く取りたい場合は、柱で支える方式やルーフバルコニー、インナーバルコニーの検討が必要になります。
我が家のバルコニー状況
・寝室の外側にのみ設置
・幅:約4m、奥行:約1m
・室外機を2台設置(寝室・子ども部屋用)
・洗濯物干し竿は設置していない


エアコン室外機の配置に注意
バルコニーの幅が狭い場合、両端に室外機を2台置くと、窓の前をふさぐ形になり、出入りが不便になる可能性があります。
我が家でも、室外機の一部が窓側へ約30cmはみ出しており、将来的に洋室にもエアコンを追加すると、両方の窓の前がふさがることになります。
洗濯物を干す場合は、こうした室外機の配置も考慮して、バルコニーのサイズを検討しましょう。
なお、我が家では洋室1のエアコン設置時に、室外機の向きを90°回転させて省スペースで対応しました。
バルコニーで洗濯物干しをする場合は、室外機の配置も考えて、バルコニーの横幅を取りましょう。

バルコニーが無い場合の室外機設置
バルコニーが無い場合、二階の室外機は一階に設置することになります。
角部屋であればドレンホースを側面に沿って下ろせば済みますが、中央の部屋だと正面からホースを垂らすことになり、見栄えが悪くなりがちです。
また、夏場は直射日光による室外機の過熱で冷房効率が悪化する懸念もあります。
ドレンホースの延長も目立つため、こうした点からもバルコニーの設置には一定の価値があります。


バルコニーの費用
我が家のキャンチバルコニー設置費用を公開します。
工事箇所 | 数量 | 単価 | 小計 |
---|---|---|---|
床パネル | 3.8㎡ | \60,700 | \230,660 |
樹脂タイル | 3.8㎡ | \5,600 | \21,280 |
据付工事 | 1箇所 | \3,500 | \3,500 |
造作工事 | 9.5m | \1,190 | \11,305 |
高耐久シート防水 | 9.5m | \2,470 | \23,465 |
腰壁 | 4.8m | \36,690 | \176,112 |
合計 | – | – | \466,322 |
キャンチバルコニーは比較的コストを抑えられる構造ですが、それでも50万円近くかかっています。
用途が明確であれば、予算と相談しながら適切な広さを検討しましょう。見た目のバランスにも貢献する要素です。
・室外機を置く場合、窓の前を塞がないか
・洗濯物干しをするスペースが十分にあるか
バルコニーの清掃・点検

バルコニーは砂埃や落ち葉がたまりやすく、放置すると排水口が詰まり、水が溜まってしまう恐れがあります。
水が溜まると、最悪の場合、壁や窓から雨水が浸入するリスクもあります。
排水口の詰まり防止のためには、月1回程度の点検がおすすめです。
- 落ち葉やゴミを目視で確認
- 詰まっていれば取り除く
- ペットボトルの水などで排水チェック
10年を過ぎると防水シートの劣化も視野に入れておくと安心です。

水栓は付けた方が良い?
水栓があれば排水口を含めたバルコニー全体の清掃がぐっと楽になります。
さらに100Vコンセントがあると高圧洗浄機などのアイテムが使えるようになるので清掃がとても捗ります。

残念ながら、我が家の場合は水栓も100Vコンセントもありません。
上写真のように、バルコニー清掃の際は、水栓は一階外から、100Vコンセントは寝室から引っ張ってきていますが、非常に面倒です。
まとめ
バルコニーの必要性は、ライフスタイルや将来設計によって大きく左右されます。洗濯物干し場としての役割はもちろんのこと、二階の部屋のエアコン室外機置き場として、都市部の狭小住宅などでは貴重な屋外スペースとなり得ます。また、張り出しバルコニーは一階の軒の代わりとなり、雨水の跳ね返りによる外壁の汚れを軽減するという意外なメリットも持ち合わせています。
設置前に確認すべきポイントは多岐にわたります。
- 洗濯物や布団を干す頻度や量を考慮し、十分な広さを確保する必要があるか?
- エアコンの室外機を設置する場合、将来的な増設の可能性も含めて、窓の開閉や人の動線の妨げにならない配置が可能か?
- 建物の外観デザインにおいて、バルコニーの形状やサイズがバランスを損なわないか?
- そして、長期的な視点で見ると、メンテナンスの手間やコストを許容できるか?
もし、バルコニーで食事を楽しんだり、ガーデニングなどの趣味のスペースとして活用したい場合は、奥行きのあるバルコニーやルーフバルコニー、インナーバルコニーといった、より広々とした空間を検討する必要があります。特にルーフバルコニーは、開放感と眺望に優れ、 セカンドリビングのような多目的な空間として活用できます。
バルコニーのメンテナンスは、初期段階では排水口の清掃が主となりますが、10年を目安に防水シートの点検や補修が必要になる可能性も考慮しておきましょう。
新築時にバルコニーを後付けすることは構造上難しいため、少しでも利用する可能性があるならば、比較的費用を抑えられるキャンチバルコニーの設置を検討することをお勧めします。後悔しないためには、「何のためにバルコニーが必要なのか」という目的を明確にし、家族のライフスタイル全体を見据えた上で判断することが最も重要です。我が家のように、主に室外機置き場として設置した例も参考にして、それぞれの家庭にとって最適な選択をしてください。
要か」を明確にして判断すると後悔が少なくなります。

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